ランメルモールのルチア
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ランメルモールのルチア – ガエターノ・ドニゼッティ
オペラ | 現代
上演時間:3時間15分(休憩1回を含む)
言語:イタリア語
字幕:ハンガリー語、英語、イタリア語
『ルチア・ディ・ランメルモール』は、その時代のイタリア・オペラ様式の典型であり、ベルリーニやヴェルディ以前の時代、そして旋律的かつ感傷的なイタリア・ベルカント・オペラを体現する作品です。ドニゼッティが作曲した67ものオペラの中でも、本作は最も重要な位置を占めていると言えるでしょう。喜劇で知られる作曲家が、この悲劇の中に自身の卓越したドラマ性を凝縮させました。彼の音楽は、カンマラーノによる台本と共に、原作であるウォルター・スコットの小説『ランメルモールの花嫁』の情熱と非現実的な雰囲気を見事に描き出しています。二つの家系間の長年にわたる確執がこの悲恋を駆動し、このオペラは誕生以来ずっと上演され続けています。
やがて正気を失うという代償を払うことになるルチアの悲劇が、マーテー・サボーの演出によりオペラ座で上演されます。
年齢制限:14歳未満のお子様には観覧をお勧めいたしません。
あらすじ
以下のあらすじは、イタリア語版による。
第1部「出発」全1幕
エンリーコの城内。ノルマンノが人々とともに、名誉のために忌まわしい秘密を暴くのだと歌う。エンリーコが現れ、一族を救うために妹のルチアを結婚させたいが、彼女が拒んでいると語る。ライモンドが彼女は母の死を悲しんでいるのだととりなすが、ノルマンノは彼女がある男と恋に落ち、密会を重ねていると告げる。人々が戻り、予想通りエドガルドを見つけたと報告する。エンリーコは激怒する。
泉のある庭園。ハープの調べに乗ってルチアが登場する。ルチアはアリーサに、昔ある男が恋人を刺して泉に沈めた、自分はその女の亡霊を見た、と語る。アリーサは不吉な恋はやめるようにと忠告するが、ルチアはエドガルドへの愛を歌い上げる。エドガルドが現れ、急にフランスに行くことになったと語る。2人は結婚を誓い、指輪を交換する。
第2部「結婚証明書」全2幕
第1幕
エンリーコの居室。エンリーコはノルマンノと謀って、エドガルドの不実を証明する偽の手紙を用意する。アルトゥーロとの結婚を拒むルチアに、エンリーコは偽の手紙を見せる。動揺するルチアに向かってエンリーコは、一族を破滅から救うためにアルトゥーロと結婚するよう強要する。ライモンドが現れ、エドガルドからの手紙の返事がないので、あきらめて結婚するようルチアを説得する。
城内の大広間。結婚の祝宴にアルトゥーロが迎えられ、人々は彼をたたえる歌を歌う。ルチアは、結婚の誓約書に署名してしまう。そこにエドガルドが乱入し、有名な六重唱となる。エドガルドはルチアの署名を見て激怒し、ルチアから指輪をもぎとる。混乱のうちに幕となる。
第2幕
エドガルドの城。嵐の音楽のあとにエンリーコが訪れ、一族の敵対関係を解決するために決闘を申し込む。二人は夜明け前に墓地で決闘すると約束する。
エンリーコの城。結婚の祝宴が続いている。ライモンドが現れて祝宴を止め、ルチアがアルトゥーロを刺し殺したことを告げる。血まみれになり、正気を失ったルチアが現れ、有名な「狂乱の場」となる。ルチアはエドガルドとの結婚の幻想を延々と歌い上げる。エンリーコが戻ってくるが、ルチアは天国でエドガルドと再会することを夢見て、倒れる。
墓地。エドガルドは、先祖の墓の前で絶望の歌を歌う。人々が現れ、ルチアが死に瀕していると伝える。死を告げる鐘が鳴り、ライモンドがルチアは死んだと伝えると、エドガルドは剣を自分の胸に刺して後を追う。
プログラムとキャスト
指揮:ヤーノシュ・コヴァーチュ
エンリーコ:ミケーレ・カルマンディ、アレクサンドル・アガケ
ルチア:エリカ・ミクローシャ、ジタ・セメレ
エドガルド:イシュトヴァン・ホルヴァート、アドリャン・パタキ
アルトゥーロ:ティボル・サッパノシュ
ライモンド:イシュトヴァン・コヴァーチュ
アリーザ:ルシネ・サハキャン
ノルマンノ:バラージュ・パップ
出演:ハンガリー国立歌劇場管弦楽団、合唱団、児童合唱団
演出:マーテー・サボー
美術:バラージュ・ツィーグレル
衣装:イルディ・ティハーニ
振付:チャバ・シェベシュティエン
ドラマトゥルク・ハンガリー語訳:エステル・オルバーン
英語訳:アーサー・ロジャー・クレイン
合唱指導:ガーボル・チキ
ハンガリー国立歌劇場
ハンガリー国立歌劇場(ハンガリーこくりつかげきじょう、ハンガリー語: Magyar Állami Operaház)は、ハンガリーの首都ブダペストにあるネオルネッサンス建築の歌劇場。
概要
1858年創設。グスタフ・マーラーが音楽監督を務め、黄金時代を築いた。以後、エルネー・ドホナーニやフェレンツ・フリッチャイ、オットー・クレンペラー、ヤーノシュ・フェレンチクらが歴代音楽監督として名を連ね、リヒャルト・シュトラウス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンなどの巨匠達も客演指揮を行っている。
初演された主な作品に、バルトークのバレエ「かかし王子」(1917年)、歌劇「青ひげ公の城」(1918年)や、コダーイの歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」(1926年)がある。
歌劇場の専属オーケストラはブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の名称で知られている。
なお、同じくフリッチャイやフェレンチクが音楽監督であったハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)は、この歌劇場のオーケストラとは別団体である。